2019/04/15

答えを出すことの話。

日本人で好きな歌手が尾崎豊なんですが、最近尾崎豊の特番がいくつかyoutubeであがっているんですが、見城徹さんや当時のマネージャー、写真家も積極的に語られているのがあって、逮捕後の落ちぶれてた尾崎と奇跡的な再開を果たした当時のやりとり等。
https://www.youtube.com/watch?v=igPcfiZi3-Q&t=5094s

ちょっとめんどくさくなったら予定をキャンセルしたり、雨が降ったら外にでないとか、そういう状態を「編集者としてダメになっている自分」として語っていたのが印象的だった。編集者としての復活と、尾崎の復活に重ねて、見城徹さんは見事復活を果たす。一方、尾崎は復活したかに見えて満たされなかったのだろう。

北区で一番レコードを所有しているであろう王子のBARで、尾崎の「太陽の破片」のレコードを聞かせてもらって、とんでもなく良い音がしてるのが衝撃的だった。45回転の12inchシングル、当時はCDシングルも同時発売していてどちらも1000円。
https://www.youtube.com/watch?v=pyvvKJBYYBM

この日買ったレコードストアデイのthe BOSS「And Again」の7インチもかけてもらった。こちらは1500円。44歳になった当時のBOSSが「尾崎豊の26年」とラップする。彼は別の曲でも「15の夜か17歳の地図みたく」とラップしてる。若いつもりでいても時間は待ってくれないし、どこまで何を残せるのかの勝負になってくると、アウトプットの量が第一に重要。質は大事だが、量を出せない限り質は上がらない。そう感じる。BOSSッサンもまた、TBHのアルバムは4枚しかないけど、客演含めると膨大な量のリリースを残してる。それはKOHHもいっしょ。バンドシーンはどうしてもスピード感が足りなくなるから、なら別の何で勝負できるのか。
https://www.youtube.com/watch?v=tBSzZZWRA2M

答えをさっさと出せるのか今の時代の流行りなんだけど、"答えを出すことにより自分の中から決定的に失われていくもの"もある。タナソーのSpotifyで語れられてるのはそういうことだった。断言することで失われていくもう半分の何か。"わかる"ことで失われる。答えを短絡的に求めすぎると、すぐGoogleに頼ることになる。考えることをしなくて済む。考えることはコストになっていて、考えた末に決定を下すのもコストになっている。合理性を追求するなら、答えを最短距離で導き出すのが正しい。わけのわからないものは愛おしい。
https://open.spotify.com/episode/2ZaXvPHcQnF3EB0kjbk4WF

ロックとは?パンクとは?ハードコアとは?正しさを求め、定義していく中で自らを袋小路に閉じ込めていく。世界はこうでなくてはならない、という勢力に抵抗するのは誰なのか。本当にそうなのだろうか?疑問、問いかけを持てるなら、まだ答えはでないだろう。
うまいバンド、音がすごいバンド、多いけど優等生過ぎると感じるのは、こうあるべきという模範にしっかり従っているからなのかもしれない。どうしてそうなった、そう思える音が一番面白い。

とりあえずレコードストアデイは関係なくBig Loveのネットラジオでかかっていたやたらダークなレコードを買った。3600円のレコード。高かったけど、ストリーミングで聴いてしまうときっと買わなかっただろう。
https://www.youtube.com/watch?v=QtljqatagaY

音響の最強な環境でレコード聞いてしまうと、ストリーミングや家で聴く音楽は本当に音楽の一部分でしかないなと思ってしまう。音響沼にはまって同じレコードを何度も聴く人の気持ちもわからんでもない。