2020/06/05

ZINE完成しました。

この冊子は自分の興味本位で始めようと思った。音楽やカルチャーについて文章を書くこと、それらを発信している人に焦点をあてたものを作りたかった。音楽はそれを作り出すアーティストと享受するリスナーという存在だけで成り立つはずなのに音楽の周りには様々な人間がいたりする。レコードレーベル、ディストリビューター、ショップ店員、プロデューサー、エンジニア、スタジオ、ラジオ、さまざまなメディア、SNSもかな、様々な人々が関わり合いながら音楽を形作っている。それぞれの役割はそれぞれで重要だ。そしてその中には音楽のライター(書き手)という存在がある。ライターにも色々あって、メディアに近かったり、アーティストに近かったり、リスナーに近かったり。面白い文章、ためになる文章、自分の何かを目覚めさせる文章、ふとした気づきを与える文章。いろいろある。 僕は文章が好きだ。だけど音楽についての文章っていうのはだんだんとその重要性を失っているように感じる。時間をかけた考察記事よりも、扇動的な見出しでPV数を稼ぐような記事が目に付く。雑誌のインタビューは同じような質問しかされないし、アーティストを担ぐような提灯記事、レコード店のコメントはレーベルが制作したインフォ(つまり宣伝コメントだ)の流用があふれてる。そこには自分の好きな文章、思考の痕跡はない。愛のある批評もDisもない。そんなんでカルチャーが生まれるかよ!?...ってことを言いたいわけではない。いや、ほんとはちょっと言いたい。大手のメディアからもライターが解雇されていく流れがあるけれど、それは時代の必然なのかもしれない。そんな時代の中で、流れと逆行して自分の熱意で文章を書いている人たちにインタビューしてみようと思ったのが始まりだ。「この人たち一体なんで書き続けられるんだ?」っていう疑問でもある。 2019年の年末から年明けにかけて、協力してくれる人たちからコメントを集めた。3月にはこの冊子をリリースしようと思っていたけれど、新型コロナウイルスの猛威によりさまざまな活動が制限され制作する時間を確保することができなくなりつつあった。本当に申し訳ない。正直この冊子に対する優先度が、緊迫していく生活の中で低下していくのを感じていた。しかし、新型コロナウイルスの影響でさまざまな分野で活動が止まり、営業休止せざるを得ない人たちを見て考え直した。「音楽やカルチャーは生きていくのに必要ではない」だからという理由で必要ではないのか?その答えは「NO」だ。そうだ、思い出した。この冊子はある問いに対しての自分なりの「NO」だ。「NO」を集めた「YES」だ。僕はこの不必要なものを、とても必要としている。 そういうわけでこんな状況下で制作された本冊子を楽しんでください。

企画参加者:
夏目 進平 (Marunouchi Muzik Magazine)
アギッチ (となりの部屋から超鋼鉄重低爆音)
でかいエドさん (Decayed Sun Records)
トモヒロツジ (cllctv.,bookshelf distro)
マキノ (Rodentia Collective)
s.h.i.
冬のしじま (life-4)
久保田 千史 (AVE|CORNER PRINTING,clinamina)
高橋 秀明 (1020distro,midnight parade)
高鳥 慎吾 (TheScytheWillRustAway DISTRO,agak,xonto)
死ンカ異 (motorpool records distro)
千田 正憲 (blue sketch.)
渡辺 (unk distro)
mztn (3LA)

配布場所:
1020distro
TheScytheWillRustAway DISTRO
motorpool records distro(2025年より配布予定)
unk distro
DIGDIG
bushbash
MISERY
BASE
BOY
LIKE A FOOL RECORDS
PUNK AND DESTROY
Disk Union
Eathdom
futher Platnix
3LA

ご協力いただいたみなさまに心から感謝いたします。

ISSUE OF REVIEW / 激音夜話 (ZINE)

http://longlegslongarms.jp/music/products/detail.php?product_id=1972