2019/06/30

ディストロ業務日誌 6/30

入荷物が集中すると、それを全部レビューしてアップして、という時間が取れないので小出しにしていくしかないんだけど、そうやっていくと入荷したのに販売開始されない音源が溜まった状態になる。そしていよいよレビューしてアップしようというときに「あれ?これ何の音源だったっけ?」「こんなの注文してたっけ」となることが少なく無い。

今回の音源でいくと、Coma Regaliaはジャケットみても何の音源だかわからなかったし、Discogsで調べてみたら50枚限定のツアー用音源だった。Memento Moriもツアー用、Jiyuna!のCDもハンドメイドで、2019年の日本、東京、北区にレア盤が集中している状況が異常だ。はやく売ってみんなの元に届けないと、この場所が変な磁場を生み出してしまう。

ある程度溜まっている音源もなくなってきたのでまた再オーダーを始めないと。
来週にはFrail HandsやNo Funeral Recordsからの音源も届く。
Dog Knights, Zegema Beachも荷物は動いているはずだからそのうちわかるはず。

雑司が谷のCUP AND CONEに行ってみた。
Granuleのレコードが置いてあった。
サイズやカラーいくつか無いのもあったけど、1着購入して帰宅(北区に)
商品数が少ないけど、ブランドってこういうことだって感じはした。
マイナースレット羊がかわいい。


2019/06/29

ディストロ業務日誌 6/29

平日ほとんど集中して音楽を聴ける状況じゃないので、必然的に入荷物を聴いてレビューを書く時間が深夜 or 週末になっていく。
今日は2億年ぶりに入荷したAmanda Woodward、Aussitot Mort、Zann、Dominicの過去作を聞きなおす。00年代の激情黎明期作品は今でもパワーを持っていると思う。音楽ジャンルは音の良さで勝負するようになった瞬間に死ぬ。Amanda WoodwardもAussitot Mortも素晴らしい。フランスにはDaitroもSed Non Satiataも生まれた。どうしてそんなことが出来たんだろう。そしてDominicは当時としては尖った表現で勝負しようとしていたんだと思う。

毎日エヴァを2話ずつみていく。そして沢木耕太郎を読み続けている。
明日もレビュー書かないとメルマガに間に合わねえ。

2019/06/28

ディストロ業務日誌 6/28

GREENMACHiNEの追加オーダーが店舗から来たのでやりとり。
ながく売れて欲しい!国内でアナログで欲しい人はコアなんだけど
もう少しいろいろ混ぜたいな。

ふと、過去記事でマレーシア〜タイ旅行記が出てきたから転載しておく。
深夜特急を読み始めてまた旅に出たくなってる。
レコード事情も当時とはまた変わってきたから、余計に。

旅の記録はすぐつけないといけない。
文章が粗くなっても不完全でも、そこに旅がないといけない。
あとから落ち着いてから書くのは本当の旅行記じゃない。
そう思って、ディストロ業務日誌はつけていこうと思う。

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2011/9/18~9/23の間でマレーシア・タイの旅にいってきました。
当初は旅自体が目的だったが、せっかくマレーシアに行くので 3LAでインタビューもしたKiller CalculatorのSmekにメールしてみたところ 「ちょうどアメリカにいるので会えないけどUtaridの面々を紹介するぜ」との返信が。
ということでUtaridのArwithと会う約束をとりつけることができた。
会うのが平日なのでギグは無いとのことだったので、この際マレーシアのシーンについて色々教えてもらおう!
その後何回かメールをやりとりし、ディストロ現地入荷の注文もして会うまでの準備を整える。

出発の日9/18は某フェスをYASSと見た後、羽田へ直行。
飛行機に乗って即寝、19日の朝方にクアラルンプールに到着してゲストハウス探し。
YASSはマレーシアからすぐカンボジア~タイと回る予定とのことだったが俺は旅レベル1の初心者なのでマレーシア~タイのみ。
初の東南アジア、勝手がまったくわからんのでスケジュールも余裕を持ってみたのだ
最初の一日は二人で市内を見て回ったりドリアン食ったり(めちゃマズイ、二度と食うか)して夜はアロー通りで乾杯!
あまり飲んでないはずだが、途中から記憶が断片的にしか残っていない。
記憶の最後に残っているのはテーブルに運ばれたピザの絵・・・

そうして迎えた20日。
Utaridと会う日だ。
YASSは早朝にボジアに向けて出発してるので既にいない。
ここからは単独行動になる。

だいたいの準備を整え、とりあえずUtarid Tapes運営者であるArwithに電話してみる。が出ない。
待っていても仕方ないので出発。会えなかったら会えなかったでなんとかなるだろう。
ブキッビンタン駅で12時に待ち合わせだがとりあえず5分前集合は基本だろう。
タイトな日本人の時間厳守っぷりを見せつけてやるぜと言わんばかりの俺だったが
彼は約束時間30分後に「いま起きたわ」というメール、あげく一時間遅刻。
仕方ないのでその間また周辺を散策することになってしまった。
マレーシアは物価は安いと聞いていたし実際まぁ安いのだが楽器や輸入盤のCDは結構高い。
パンク系レコード屋も回りたかったけど街にはそれらしきものはまったく見当たらなかった。
そうこうしているうちにKillieのT-ShirtsでArwith登場!遅いわ!


「今日は夜までいろいろ紹介してやるぜ」

テンションの高いArwithと飯を食いながら自己紹介を交えつつトーク。
いかに自分の英語レベルが低いかを思い知らされるが、このあたりは慣れてきたら問題なくなった。
こちらは英語下手を気にしがちだが、向こうはそんなことは全然気にしていない。
こういうときはとにかく伝えようと話していくしかない。

ArwithはUtaridのレーベル、ブッキングで海外バンドをサポートするほかにももうひとつQSDというレーベルを運営しており
Suis La LuneやAmber Daybreakなど今回入荷した欧州激情バンドのCDリリースも行っている。
Utarid TapesもQSDも知っていたが同じ人物により運営されていたとは知らなかった。
彼の行動力は本物でUtarid Tapesも10代の時に始めたレーベルで、名だたるバンドの音源をリリース、 しかもバンド活動にも積極的なうえに、海外バンドのツアーにはほとんど同行して国内~インドネシアまでついていくらしい。
この行動力の高さは本当にリスペクト。
今無職だと言っていたが、そりゃあ仕事になかなか就けないのも納得だ。
それでもマレーシアという土地でDIYの音楽だけで食っていくのは相当難しいとのことだ。
ちなみにテープ需要がほとんどなくなったため今後Utarid Tapesとしてのリリースは
Heaven In Her Armsが最後になりそうだと言っていた。

昼間は市内の友人たちを紹介してくれるらしい。
一件目に入った店はスケート/パンクハードコア系アイテムを扱っている店。
Killer CalculatorのCDはもちろん、国内インディー、メタルコアのCDを面だしで紹介している。
客はほとんど来ないし、店主も好きな音楽をかけて遊んでいる感じだ。
写真はかなりノリノリだが実は恥ずかしがってなかなか写真を取らせてもらえなかった。


次に訪れたのは市内デパートの地下の一角にひっそりと店を構える
レコード屋、Ricecooker Shop。

クアラルンプールで唯一パンク/ハードコアのレコードを扱っている店とのこと。
Utaridでもリリース作品を卸しているそうで、地元バンドマンとリスナーの情報源、社交場として機能している。
CD棚もジャンルと地域別に整理されており、品揃えはかなりマニアックで色々持ち帰りたいアイテムが多数!
ネオクラスト系も結構充実してたな・・・。
そしてノイズや変態(アバンギャルド系)の日本バンドは海外での評価はかなり高い。
このジャンルは普通に日本のアンダーグランドのバンドが入荷しているし、他の海外バンドの音源も
日本風のタイトルやバンド名をつけたものが多い。
そしてGAUZE,SLANGあたりはしっかり入荷されている。こういうのも日本人としては単純に嬉しい。
お客もけっこう入れ替わりでやってくるので比較的繁盛はしているようだ。
来る客もオッサンからキッズまで幅広く、たいてい店主と世間話しつつ帰っていく。
店主のNorr Yaacobとは連絡先も交換できたので今後取引をする話も進んでいます。
彼は日本のレーベル、ディストロとも取引したいといっていたので興味のある方はメールしてみるといいかもしれません。
(メールアド、WEB乗せる)

3LAも店を出すべきだと薦められるが、東京は物価高すぎなのよね。

さて市内散策もひと段落し、休憩。
この後さらに友人が来て車で出かけるとのことなのでしばし待つ。
暇なのでツインタワーや紀伊国屋、周辺の公園や屋台などをまわる。
しばらくして友人(「エロ」っていう名前だった。)到着、なんと彼がUtaridのドラマーであり
Orbit Cinta BenjaminやKiller Calculatorメンバーの家に連れて行ってくれるらしい!
これは行くしかない!
Arwithと三人で車に乗って出発!


市内から車で2時間以上かけて、そのメンバーの家に向かう。

到着したのは既に午後8時くらいだろうか。あたりは既に暗くなっていた。
何かの作業場のような小さな工場の二階にUtaridのギター、ドラムは共同で住んでいた。
入り口や、家のあちこちにポスターやUtaridのフライヤー、写真などが貼ってあってアットホームな雰囲気。
彼らにとってはメンバーは家族のようなものなのかもしれない。


突然の訪問になってしまったが二人は温かく迎え入れてくれ、
エロも交えてさっそく音楽トークが始まる。

家自体は広くはないものの、一室がスタジオ兼音楽部屋のようになっていてドラムセットやギター、レコードなどが置いてある。
レコードは激情系が多いが俺も聴いたことのないようなレコードがたくさんあって次から次へとレコードをかけては盛り上がる。
もちろんEbullition系はだいたいそろっていて、ヨーロッパ系の音源もマストアイテムばかり。
部屋のあちこちにはってあるポスターもいちいちレアなので、これは結構楽しい展開だ。
エロも含め、みんな音楽好きなのでレコードをまわしながら会議のようになり、この曲はこの部分がいいとかなんとか
そういう話が真剣に始まったりする。Arwithが適当にギターを弾きだしたりして、
彼らの場合はこうやって曲が生まれたりするんだろうなぁと思いつつ、いい感じに時間がすぎていく。
Hot Crossの7インチやYage,Enslaveの7インチ、欲しいものいっぱいあったな・・・。


そのうちにマレーシアハードコアシーンの話になり、
Utarid,Kian Fansuri,Orbit Cinta Benjamin,Killer Calculator,etc

このあたりのバンドの話を聴かせてくれと言ったら次から次へとレア音源、デモ音源、未発表音源などを聴かせてくれた。
彼らにしてみれば、まさか日本でマレーシアのカオティックハードコアに興味を持ってる奴がいるとはって感じで
そのこと自体が嬉しいらしい。調子に乗って次から次へと昔のレア音源を探し出してきてくれる。
Utaridで日本にきたことはあったみたいだけど、日本ではそれからも聴き継がれているものもあるし、
Kian Fansuri,Orbit Cinta Benjamin、Quantisなんかは激情系のなかでもチェックしてる人はチェックしているバンドだし
君達はマレーシア激情の中ではかなりレジェンダリーでしょ、Utaridを知らなかったらモグリだぜくらいのこと言ったら
大爆笑だったな。そんなわけないっしょみたいな感じだったけど。
そうこうしているうちに別れの時間に。
色々バンド以外にもシーンのこととか聞こうと思っていたが、楽しくなって忘れてしまっていた。
サンクス!また来ます!


自分が聴きたかったマレーシアのカオティックハードコアバンドは
人脈で繋がっていて、

Killer CalculatorのSmekが言うように一つ一つのバンドの力は大きくは無いため
Utarid Tapesのようなリリース、ブッキングのサポートを続けるレーベルの力が重要になっている。
Arwithは若いし、行動力もあり、人柄も気さくで非常に話しやすかった。
彼はまさに音楽に身を投げうっている感じで、俺みたいな奴が来るってだけでも一日時間を割いて案内してくれる
その姿勢やコミュニケーションで築き上げたネットワークがシーンに与えている影響は絶大なはずだ。
まだ彼らの歴史は始まったばかりという感じだが、今後シーンが大きくなっていくためにはUtaridのような存在は必要不可欠だろう。
これからも3LAではマレーシアシーンをサポートしていくよと約束して帰宅。
夜のクアラルンプールの夜景はやばかった・・・。

次の日からタイへ。
こちらは特にレーベル等の約束もないので好きなように回って帰りました。
今洪水で大変みたいだけど大丈夫かな。


2019/06/27

ディストロ業務日誌 6/27

Zegema Beach Recordsへのオーダーを確定した。
Senza、Joilietteあたりの現行Skramzが届くのがたのしみ。
他は何度も売り切れる音源たちの再入荷など。

Shove RecordsにPotenceを再オーダー、しました。
ex.Daitroだけあって一瞬で初回入荷分が売り切れた...と言いたいところだけど
実は最初のリアクションが少なくて翌日から売れ始めた。ちょっと焦った。
買ってなくてもSNSで話題にしてくれるだけで嬉しいですよ。
売れるから。

税対策の話を日曜日に幹部会で話していたので、その件を少し進める。
金はおっかねえ。

来年リリースするかもしれないバンドの話、こちらはアイデア出しのブレスト段階。
自分たちで何ができるかってところはテーマだけど
繰り返しにならないように、自分でも挑戦する目標を設ける。

NetflixでエヴァのTVシリーズが見れるようになった。
Otaku Skramz的に見直すのはアリ。
新劇場版は陽キャ。


2019/06/26

ディストロ業務日誌 6/26

急に大規模オーダーが入り始めたのは何故だ、と思ったら世間的にはボーナス月らしい。
我々にはボーナスは無い、しかしボーナスをレコードにつぎ込むのは素晴らしい。
ありがとう。

USのレーベルとやりとりしてオーダーを決めていくのだが、このレーベルはリリースペースが早いので、メールを何度かしているともう次のリリースの話で「こんなのもあるんだけど?」みたいな提案をされて、それがキラーな音源なので乗せられてオーダーしてしまう。
やっぱり日本国内はレコードよりもCDのほうが売れる。
でもレコード、カセットが欲しい人もいるわけで、そういう方々のためにも少数でもアナログは入れていく。CDリリースできるのはやっぱり少しでかいバンド、少しでかいレーベルだけなので。

金のことを言うと批判されるけど、言い続けていきたい。
金は血。
血を継ぎ足しながら、種は生き続ける。
新しい血が足されない閉鎖的カルチャーは近親相姦の末に劣化コピーを大量に生み出して死に向かう。
そういうのはもう見たく無いよね。