2015/10/19

音楽レーベルについて考える良い本はないものか

良い本はないものか探しています。

レーベルを始めてから一番参考になったのはGROOVE誌の2011年秋号『人気レーベルのすべて』という特集のあった号。

最近まで貸していたので、また返してもらったので再び読み始めています。
基本的にクラブミュージックというかDJ向けの雑誌なのでパンクハードコア的にはあまり接点がなさそうだったが、パンクやインディのレーベルを特集している書籍もないので何か参考になるものがあるだろうと思って買ってみたのだが、意外とこちら側にも響くものがある。というか、本当に大切なことというのは普遍性があるのでジャンルなんて関係なくなるんですよね。
2011年の号なので、現在はまた状況が変わっている部分もあるんだけど、普遍性のある部分について時代は関係ない。 

特集されているレーベルは設立の経緯も様々だが、DIYでやっているレーベルオーナーの発言は含蓄がある。普通にレーベルとかしてなかったら読み流してしまうような発言が多数。

STONESTHROW「いつも賭けに出て、意外性のある音楽をリリースしてきた」
UBIQUITY「作品をリリースする上で大事な条件はタイムレスでクラシックであるということ」
MAD DECENT「レーベルというのはオーディエンスに何かを伝えるための文脈なんだ」
iK7「どんなジャンルにおいても、インディペンデントでやっている音楽の方が断然面白い」
INNERVISIONS「かつては、レーベルのA&R、ディストリビューター、レコード屋のバイヤーと多くのプロによるフィルターがあり、それらを通過した音楽だけがリスナーの耳に届いた。でも今は音楽の量は増えているのにフィルターは薄くなっている」
BROWNSWOOD「レーベルの役割というのは音楽をサポートし、新世代を応援すること」 

オーナーがDJをやりながら現場に立ち続け、新世代の層とも接点を持ち続けているのも重要だ。きれいごとを言っているんじゃなくて、そうじゃなきゃダメなんだと結論に行き着いているのがわかる。

フォロワーを育てることを怠ったシーンはすべて衰退している。
逆に周りからダサいと言われても、若い層に向けてメッセージを発信し続けているシーンは今、その成果が出てきて明暗が分かれていると思う。
ディストロごっこ、レーベルごっこじゃなくて、本物が求められている時代だと思います。


GROOVE AUTUMN 2011 サウンド&レコーディング・マガジン2011年11月号増刊
GROOVE編集部
リットーミュージック (2011-09-28)

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