2021/04/15

僕が子供の頃、ビートルズは「30年前の音楽」だった。今ではMETALLICAがブラックアルバムが「30年前の音楽」だ。

 METALLICAがブラックアルバムをリリースしたのが1991年で、今年で30周年になるのですね。と思って聴いてました。僕が子供のころにとって、ビートルズって「30年前の音楽」ってイメージだったので、いまでは30年前の音楽がメタルってことなので、いわゆるおじいちゃんの世代にもロックやメタルを体験している世代になってきている。全部過去の話。

https://rollingstonejapan.com/articles/detail/26430/1/1/1

メタリカとはなんぞや的な話と共に「良い音楽とは」っていうテーマをうっすらと考えている。そして度々言っているんだけど、良いメロディも良いリフも世の中には存在しない、それらは音色と密接な関わりを持つことで「良い」ものとして成り立っているのだから、やっぱり一番重要なのは鳴っている音ではないか?と思う。

という仮定があって、メロディ単体、リフ単体で良いも悪いもない説を推している。ジェイムズは稀代のリフメイカーだと言われているけれど、それはダウンピッキングの技法、そしてラーズのドラミングとのコンビネーション、バンドのサウンドメイキング、等の要素と共に成り立っているので、やっぱりジェイムズのリフのみで成り立っているようには思えない。バンド全体を統括するラーズは、演奏者としてよりもプロデューサー的視点を持っていたのだろうなと思う。

アルバム『メタリカ』の指揮に、プロデューサーのボブ・ロックを起用するというバンドの決断は物議を醸すものだった。なぜなら、このカナダ人のプロデューサー兼エンジニアは、当時モトリー・クルーやボン・ジョヴィ、キングダム・カム、ザ・カルト、ラヴァーボーイとのスタジオ作業で有名な存在で、この5バンドにはスラッシュ・メタルの特徴がほとんどなかったからだ。だが、メタリカのメンバーは、この5バンドがロックと共に作った音楽ではなく、これらのバンドのサウンドを作った彼の手法に興味を持っていたのだ。

このあたりも裏付けになるんだけど、バンドとしてもそこを認識していて、自分たちの音をどのように鳴らせるかという方向性がボブロックの起用だったのではないかと。

METALLICAは曲で差別化を図るバンドではなく、音で差別化を図るバンドだったとも言える。『MASTER OF PUPPETS』はギターのサウンドはディストーションで歪ませるのではなくクランチ程度の歪みとギターの鳴り、そしてドラムの音で重さを表現しているのは他のB級スラッシュメタルと比較すると、重さの定義がまるっきり違うのがわかる。

今日ブラックアルバムを聴いて既存価値観に習うのではなく、新定義できる強さよね、という気持ちを強くしました。それを思うと『St.Anger』より後のMETALLICAが何か新しいことやってんのかなっていう気持ちもある。

おっと、『Lulu』の話はここでしない約束だ。




0 件のコメント:

コメントを投稿