2021/01/17

V系聞いてたら音楽的理論無視した楽曲を耳コピさせられた話(長文/オチなし)

s.h.iさんの記事の情報量すごすぎてすごかった。
みっちりしすぎててまだ全然読めてないんだけどなんとなく視点めちゃ同年代だと思う。
時間あるときちゃんと読みたい。




なんかV系の話があったので思い出し話を記録。

すげー全然関係ないんだけど30代だとV系って結構な割合で通っていると思っていてカルチャー的先進都道府県ではない田舎だと余計にV系の影響力ってすごいんだよなと思う。渋谷系もぜんぜんこなかったしメロコアもなにもかもムーブメントが後乗りだった。

そういうわけで10代はメタルを聞きながらもV系も同じように聞いていたので、今ではわりとV系とメタルの距離は近いと思うんだけど昔から聞いていたので一緒の軸で語ってしまうことにそんなに違和感がない。でもそんな話を別に今更したくもないのでツイの話題には絡まないことにしてる。

SEX MACHINGUNSのオタクだったので98年に彼らがデビューした後、当時インターネット黎明期の個人サイトばかりの時代に超私的悦楽園というエロサイトみたいなデザインのSEX MACHINGUNSファンサイトに出入りしはじめて、そこのお兄さんたち(当時20代後半くらい?)にいろいろメタルのMDを焼いてもらって教えてもらうなどしていた。そこでメロスピの洗礼を受けたような気がする。性マイノリティについての勉強もさせてもらったし、深夜のチャットなどでタイピングがめちゃ速くなったりした。

SEX MACHINGUNSのファンの方々はメタルファンとV系ファンの人がいて、割とお互いのジャンルの情報交換が活発におこなれており(今思うと。当時は普通だと思ったが)SEX MACHINGUNSのファンはメタルリフの元ネタを楽しみ、我々男子はV系アンダーグラウンドを知ることにある。90年代の終わりくらい〜00年代の始まりだったのでグルグル映画館、アンチクランケ、陰陽座、カリガリとか。あとガーゴイルがなんか流行ってた気がする(『檄』が名盤とされてた)けどこれはメタルのほうからだった気がする。カリガリのベーシスト村井氏がガーゴイルと関わりだしたかなんかで共演も多々あった気が。覚えてない。SEX MACHINGUNSのファンの方々とは2002年に僕は東京にいって実家のネット環境を失ったのでそこから全くやりとりが途絶えた気がする。(カリガリはこの時から考えるとすげー息が長いバンドだと思うんだけどインディペンデント志向だったのとすごいブレイクはしないかったことが結果よかったんだと思う。適当考察)

カリガリは『第四実験室』〜『第五実験室』くらいの時代でまだ前のボーカルの秀児がいて、その人がoiパンクみたいな感じだった。「君が咲く山」のシングルをライカエジソンに買いに行って2500円も払ったのに2曲しか入ったなかったのはまじでびびったが、CDジャケットってめちゃ凝ることができるんだという気づきがあった。ギターの櫻井青さんが同じ茨城出身だったこともあって勝手に親近感感じてたのと、割と恥ずかしくない歌詞があったバンドだったので聞けたというのがある。冷静に考えるとメタルの歌詞もドラゴンがどうとか祖国がどうとか相当に恥ずかしいのだが、当時はめちゃかっこいいと思ってた。

カリガリはボーカルの精神的な不安定が原因と言われていたけどライブキャンセルとかがあって、その当時のネットはSNSとかはなくてBBSだったんだけどすげー葬式みたいな感じになってたのを覚えてる。BBSとか見てても今日はよかった、今日はだめだったみたいな当たり外れの大きいバンドだったっぽい。「サイレン」とか「君が咲く山」みたいな曲の迫力は秀児にしかできねえ派も多かったけど、なんか状況的にもうしゃーないみたいな雰囲気だったと思う。当時は新しいボーカルになった秀仁はうまいけど何か足りないみたいな評価も多かったと思う。長年かけて覆したんだろうけど。少し後にベスト盤的な「再教育」というアルバムで再録されたのを聞いたら確かにそんな感じだった。


時は流れて僕が大学生になったある日、部室の横でだべっていると掃除のおばちゃんが来て「あなたたち音楽やってるんでしょ?うちの娘の悩みを聞いてちょうだい」みたいな謎のイベントが発生。(娘ルートは無し)
話を聞いていくと、おばちゃんの娘があるバンド(V系)が加入することになったが、加入するにあたっての試験があり、そのバンドの曲をスタジオで合わせて演奏する必要があるらしい。そこでそのバンドの音源をCDRに焼いてきたのが、その娘は耳コピ(音源聞いてギターとかベースの音を自分で弾けるようになること)ができないらしく、音楽の経験がありそうな若者に頼みたいとのこと。

僕は当時音楽系サークルに属していたので、耳コピなんて楽勝だと思ってて先輩たちも耳コピには慣れているはずだが、その音源を聞いた先輩は「俺にはできねえ」って感じになってしまい、僕がその耳コピをすることになった。そして音源を聞いてみて驚いたのだが、それは曲のコードがわからない謎の楽曲だったのだ。

通常の曲というのは音楽的な理論がベースにあって、たぶん素人が作るような曲でもある程度コードだったりベース音というのがあり、それにそってメロディも存在しているはずだ。しかしその曲はまずベース音が聞き取れない。そしてコード感がいっさいわからない。もしかしたらインダストリアルV系だったのかもしれない。リズムは一定だったが上にのっているベース、ギターなにもかもがめちゃくちゃで、ディストーションでカチャカチャ弾いてるのだが誰もコードを弾いていないため演奏もあっているのかどうかわからない。
例えるならばL'Arc〜en〜Cielのベース音を押さえないベースと、コード無視したフレーズをずっと引き続けるSUGIZOx2人がリズムマシーンのインダストリアルなリズムに合わせてずっと好きなように弾きまくっているような音楽。サビとか存在しない。なんだこれ。書いててちょっとかっこいい気もしてきた。

仕方ないのでコードは全部E(開放弦)ということにして耳コピを完了し、おばちゃんから報酬として2000円をもらったような気がします。

V系聞いててよかった!

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音楽的理論を踏まえると曲は普通になるんだなと思ったのと
知らないが故の逸脱、みたいなものはパンクになるんだと思う。
でも道を外しすぎると音楽というよりノイズになるのかもしれない。












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